審査日時平成29年10月10日(火)午後1:00~
審査場所川上村役場第1会議室
審査員写真家/百々 俊二写真家/内山 りゅうアートディレクター/猪熊 裕行 《敬称略・順不同》
審査員講評(総評/要約)
写真家/ 百々 俊二氏匠の聚フォトコンテストの審査をさせて頂いて、毎年似た表現の写真が半数位あります。過去の受賞作品を学習されて、踏襲され、良い写真の指針として作品制作をされていることが見受けられます。写真が類型的になっていて、既視感があります。まず、その傾向にとらわれないで、ご自身の視座を獲得して欲しいですね。 ご高齢の方が非常に多くて、山の中、川遊び、自然の中に分け入る行為は、ものすごく写真っていいなと思います。カメラを持って自分の魅力的な世界を探していくという作業をされているプロセスが見える作品がいくつかあります。何度も川上村を訪ねて、繰り返し撮られている。1回きりで終わっていない撮影行為が組写真の中に見受けられました。その中で非常に個別な視点の写真が何点かあります。それはとても新鮮な作品との出会いでした。そういった意味で、今年度は特に組写真は魅力的だと思いました。 今後、地域のフォトコンテストというものを越えて、全国的に展開できるような作品が増えてもいいと期待しています。
写真家/ 内山 りゅう氏数年前から審査させていただいているのですが、今回は、新しく応募された方が増えていました。コンテストにとって良い事だと思います。撮り方やとらえ方、表現方法が多様化しています。新鮮な写真がいくつもありました。その中で、過度に彩度を上げすぎていたり、樹木や草花が自然界にない色でプリントされていたりと、撮影はきちんとできているのに、プリントで失敗している写真がいくつもあり、残念でした。毎年コメントしていますけど色管理、プリントのコントロールに気をつけて頂きたいと強く思いました。 匠の聚フォトコンテストの展示をきっかけに完成度の高い写真作品を多くの方に見ていただいて、川上村に足を運んでいただき、村の魅力を感じてもらいたいと思います。全体的には、本当に毎回いい写真があるなと思います。
アートディレクター / 猪熊 裕行氏いわゆる「いい写真」と言われる写真が本当にいいのかなと考えていました。今回の審査で、技術や画質にこだわり過ぎなくても、その一瞬、その出会いのなかで撮影され写真から創造力をかきたてられ物語性に富んだ、いままでにない作品に出会えました。あえて画質をおとして挑戦しているかとも思いました。時代によって、いい写真の傾向は変化していることに気が付きました。一方、デジタルカメラで撮影され、美しいプリントに仕上がっている作品もあり、バラエティに富んだコンテストになったかと思います。写真の可能性の領域の広さを今回の審査で体感することができました。
ポイントカメラは魔法の箱です。目の前で起こる瞬間を持ち帰ることができ、多くの方と共有することができます。そして、未来に「いま」を届けることができます。今回の審査でも賞に残る作品は、作者の感動や息遣い体験そのものが写真に写り込んできています。撮影に訪れた場所に繰り返し通う事で川上村の事や植生や集落を知り、村民と出会う事で写真の意味合いが変わってきます。技術的な部分では、撮影した被写体、表現したいテーマに写真の露出・明るさやプリントの色調が合っているのか、基準を持つことの必要性を感じました。たくさんの写真(写真集や写真展のオリジナルプリント)を見る事で「写真でなにが出来るのか」を探求いただきたい。 写真を愉しむことを続けてください。
匠の聚大賞5枚組【雨の森】奥田 勝也
川上村長賞
【滝壺の宝石】森下 賢治
川上村議会議長賞4枚組【水遊び】工藤 康彦
水源地の村賞5枚組【氷景の美】大西 忠男
川上村観光協会長賞5枚組【移り行く季節の中で】田辺 弘年
スポンサー賞(富士フイルムイメージングシステムズ株式会社)4枚組【四季だより】山本 明子
スポンサー賞(株式会社トミカラー)
【雪しずく点描】貞岡 逸麻
スポンサー賞(株式会社フォト匠)
【月下幻影】山際 實
入選4枚組【冬の旅人】田辺 弘年
入選2枚組【雨上がりの夕刻】池田 和裕
入選3枚組【法悦祭】野口 文男
入選【御船のほたる】秋田 正成
入選4枚組【移動スーパーの来る日】山本 明子
入選4枚組【凍て付く清流】花井 美紹
入選
【榊】嶋谷 元
入選5枚組【水の惑星】桑原 達夫
入選4枚組【四季渓遊】山本 豊
【さえずり】高野 隆喜
【桜嵐】氏川 修道
【秋のシンフォニー】田畑 新二
入選3枚組【ひと夏の夢】中西 謙一