匠の聚フォトコンテスト2016審査会概要
審査日時 平成28年10月7日(金)午後1:00~
審査場所 川上村役場第1会議室
審査員 写真家 /百々 俊二
写真家 /内山 りゅう
アートディレクター/猪熊 裕行 《敬称略・順不同》
審査員講評(総評/要約)
写真家/ 百々 俊二氏
4年前から撮影地を川上村に限定されてずっと見てきましたが、作品の展開があまり変わってこないですね。特にドキュメント部門において、例えば人を描くとすればその人との付き合いが必要になってくる訳で、単に行事や催事のその時だけを捉えてしまっているという作品が多いです。もう少し日常の部分までお付き合いするような、何度か足を運んでこういう山間部の集落の暮らしみたいなものが描かれている作品が増えると良いなと思います。今年は例年に比べ応募点数や人数が少なかったのが印象的でした。撮影地を川上村のみに限定されたもので仕方ない部分はありますが、常連さんばかりではなく新しい参加者をどう呼び込んでいくのかという点で、村の取組みとリンクさせながら何か仕掛けが必要なのかもしれません。行き当たりばったりではなく、村民と写真をとおしてもう少し深く交流できるような展開が必要になってきているのかもしれません。そうすることで写真表現がより豊かになってくると思います。
写真家/ 内山 りゅう氏
今回もやはりレベルが高いなと思いました。しかし上手な作品が多い中で、組写真に関してはもったいないものが見受けられました。組はやはり難しいと思いますが、例えば3点なら3点、4点なら4点と点数は問題ありませんが、どうしてその写真を選んでいるのかというような部分が伝わってこないものが多く見受けられました。たまたま綺麗に撮れたから4枚だとか・・、やはり組み写真というのは作者が「何を言いたいか」だと思います。クローズアップがあれば引きの写真もあったり、変化があったらもっと世界観が広がるし、作者の気持ちが出てくると思います。今回その部分に偏りが見受けられたのでもったいないなと感じました。色合いについてはかなりきれいに仕上げていらっしゃいますね。きちっと色を見てくれているというのが感じられました。だんだん良くなってきていると思います。
アートディレクター / 猪熊 裕行氏
今回はいつもより写真の応募点数が少なく残念だなと思いました。非常に上手い人もいらっしゃいますが、常連の方が多かったですね。とは言え、大賞に輝かれたのは和歌山市の方でした。吉野川紀の川の源流域と下流域を繋ぐ「水源地の村づくり」における両者の関係を垣間見れたようで非常に嬉しく思いました。このような形でどんどん新しい方が参加できるような環境になってくれたら良いなと思います。
フレーミングの仕方と表現構造に工夫が欲しいです。何を入れ、何を排除するか、または自分の感動を戦略的・技術的にどう見せるのかというのが大事になってきます。レンズの選択や光の扱い方など、自分が感じたもの以上の感動を相手に伝える工夫ができるか、自分の視点をきちんと持っているかということが大切です。
◆主催/川上村・匠の聚・森と水の源流館
◆後援/川上村観光協会
◆協賛/富士フイルムイメージングシステムズ株式会社・株式会社トミカラー・株式会社写真工房匠
◆協力/奈良ヤクルト販売株式会社・NTT労働組合奈良県グループ連絡協議会・一般財団法人地域の未来創造機構